計算方法と根拠

簡易課税のしくみ

基準期間の課税売上高が 5,000 万円以下の事業者が、消費税簡易課税制度選択届出書を出すと使える制度です。実際の仕入にかかった税額を集計せず、売上に係る消費税額に事業区分ごとの「みなし仕入率」をかけた額を仕入控除税額とします(国税庁 No.6505)。

みなし仕入率

第1種(卸売業)90%、第2種(小売業など)80%、第3種(農林漁業・鉱業・建設業・製造業など)70%、第4種(ほかの事業)60%、第5種(運輸通信業・金融保険業・サービス業)50%、第6種(不動産業)40% です。

計算の流れ

税込の売上を 1.1 で割り(1,000 円未満切り捨て)、7.8% をかけたものが売上に係る消費税額(国税)です。そこからみなし仕入率分を引いて納付消費税額(100 円未満切り捨て)を出し、その 22/78 の地方消費税を加えます。標準税率 10% のうち 2.2% が地方消費税です(国税庁 No.6101)。

2割特例

免税事業者からインボイス発行事業者になった事業者が、納付税額を売上に係る消費税額の 2 割にできる制度です。令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間に使えます(国税庁)。この表示は参考で、対象かどうかは国税庁のページで確認してください。

使っている式

計算式
名前やっていること式
みなし仕入率事業区分で決まる、売上に係る消費税額のうち仕入に使ったとみなす割合です。rate = if(kind == 1, m1, if(kind == 2, m2, if(kind == 3, m3, if(kind == 4, m4, if(kind == 5, m5, m6)))))
課税標準額(1,000 円未満切り捨て)税込の売上を 1.1 で割り、1,000 円未満を切り捨てた額です。base = floor(sales * 100 / (100 + std) / 1000, 0) * 1000
売上に係る消費税額(国税)課税標準額の 7.8% です。taxS = floor(base * nat / 1000, 0)
簡易課税の納付消費税額(国税・100 円未満切り捨て)売上に係る消費税額から、みなし仕入率分の仕入控除税額を引いた額です。netS = floor((taxS - floor(taxS * rate / 100, 0)) / 100, 0) * 100
原則課税の納付消費税額(国税・100 円未満切り捨て)売上に係る消費税額から、実際の課税仕入高にかかった消費税額(国税分)を引いた額です。マイナスは還付を意味します。netP = if(taxS - floor(purch * nat / (100 + std) / 10, 0) >= 0, floor((taxS - floor(purch * nat / (100 + std) / 10, 0)) / 100, 0) * 100, 0 - floor((floor(purch * nat / (100 + std) / 10, 0) - taxS) / 100, 0) * 100)
2割特例の納付消費税額(国税・100 円未満切り捨て)売上に係る消費税額の 2 割です。netT = floor(taxS * two / 100 / 100, 0) * 100
簡易課税の納付額(消費税+地方消費税)簡易課税の納付消費税額に、その 22/78 の地方消費税を加えた額です。totS = netS + floor(netS * loc / nat / 100, 0) * 100
原則課税の納付額(消費税+地方消費税)実際の課税仕入高で計算した納付額です。マイナスのときは還付です。totP = if(netP >= 0, netP + floor(netP * loc / nat / 100, 0) * 100, netP - floor((0 - netP) * loc / nat / 100, 0) * 100)
2割特例の納付額(消費税+地方消費税)売上に係る消費税額の 2 割に、その 22/78 の地方消費税を加えた額です。totT = netT + floor(netT * loc / nat / 100, 0) * 100
簡易課税の納付額(消費税+地方消費税)(結果)簡易課税の納付消費税額に、その 22/78 の地方消費税を加えた額です。totS
原則課税の納付額(参考)(結果)実際の課税仕入高で計算した納付額です。マイナスのときは還付です。totP
2割特例の納付額(参考)(結果)2割特例を使える課税期間で、対象の事業者のときの納付額です。簡易課税とは同時に使えません。totT
みなし仕入率(結果)選んだ事業区分のみなし仕入率です。rate
原則課税より簡易課税が少ない額(結果)原則課税の納付額から簡易課税の納付額を引いた額です。マイナスは簡易課税のほうが多いことを示します。totP - totS

式の記法: + - * / ^(べき乗)、かっこ、min / max / round / ceil / floor / pow / abs / sqrt、if(条件, 真のとき, 偽のとき)。round(x, 桁) は四捨五入、ceil は切り上げ、floor は切り捨てです。

設定値(定数)と出典

設定値と出典
項目値出典時点見直しの周期
みなし仕入率 第1種事業(卸売業)90%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
みなし仕入率 第2種事業(小売業など)80%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
みなし仕入率 第3種事業(製造業・建設業など)70%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
みなし仕入率 第4種事業(第1〜3・5・6種以外)60%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
みなし仕入率 第5種事業(サービス業・運輸通信業・金融保険業)50%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
みなし仕入率 第6種事業(不動産業)40%国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」(適用要件・事業区分ごとのみなし仕入率 90%〜40%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
標準税率(消費税と地方消費税の合計)10%国税庁タックスアンサー No.6101「消費税の税率」(標準税率 10%・うち地方消費税 2.2%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
標準税率のうち消費税(国税)分(7.8%。千分率)78‰国税庁タックスアンサー No.6101「消費税の税率」(標準税率 10%・うち地方消費税 2.2%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
標準税率のうち地方消費税分(2.2%。消費税の 22/78)22国税庁タックスアンサー No.6101「消費税の税率」(標準税率 10%・うち地方消費税 2.2%)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)
2割特例の割合(売上に係る消費税額に対する)20%国税庁「2割特例 特設ページ」(納付税額を売上に係る消費税額の 2 割とできる制度・適用期間)2026年10月27日税制改正のたびに確認(毎年 4 月に確認)(次回見直し 2027年4月1日)

入力できる範囲

入力項目
項目範囲初期値
課税売上高(税込)0〜500,000,000円22,000,000円
課税仕入高(税込・原則課税との比較用)0〜500,000,000円11,000,000円
事業区分(みなし仕入率)第1種 卸売業(90%) / 第2種 小売業など(80%) / 第3種 製造業・建設業など(70%) / 第4種 上記以外(飲食店業など)(60%) / 第5種 サービス業・運輸通信業・金融保険業(50%) / 第6種 不動産業(40%)第5種 サービス業・運輸通信業・金融保険業(50%)

結果は、同じ条件なら本サイトのどのページでも同じ数字になります(ページの数字も、計算ツールも同じ計算の仕組みで出しています)。

ご利用にあたって

  • 国税庁が公表するみなし仕入率と税率にもとづく概算の目安です。実際の納付額は、軽減税率(8%)の売上、複数の事業区分、貸倒れ、特定課税仕入れなどで変わります。
  • 標準税率 10% の売上・仕入だけとして計算しています。飲食料品の販売など軽減税率の売上がある場合は含まれていません。
  • 簡易課税は届出書の提出時期や 2 年間の継続などの条件があります。有利・不利の判断や届出は、税務署または税理士に確認してください。
  • 2割特例を使える課税期間は令和8年9月30日を含む課税期間までです。それ以降の取り扱いは国税庁の最新の案内で確認してください。